Audio Science Review のForumで、DeltaWaveというソフトを知りました。
2つのPCMを比較し、差異を検出してくれるソフトです。
DeltaWave
https://deltaw.org/
例えば、WAV再生時のDACの出力をADCでキャプチャしてWAVに保存し、両者を比較するといったことができます。
これはトランスポートによってDACの出力がどのように変化するのか捉えるのに適したソフトです。
通常、DACの出力をキャプチャしたデータは元のデータと様々な点で異なるため、データの比較は容易ではありません。
- 曲の開始がずれている(数ミリ秒〜数秒)
- 録音レベルがずれている(0.1dB〜数dB)
- 録音された音声の速度にずれがある(再生機材/録音機材のクロックの僅かなずれや、伝送経路上の遅延、ジッターなど。ピコ秒〜ナノ秒)
- 位相がずれている(フィルタに起因する群遅延など。数degree)
DeltaWaveにはデジタル再生系で生じる既知の事象を自動的に補正して取り除いてから差異の抽出を行ってくれるという、大変便利な機能が備わっています。
再生ソフトウェアの違いがDAC出力にどのような変化をもたらすのか、このDeltaWaveを使って調査を進めてみたいなと思っています。
手始めにSabreberry32の出力をADC(Fireface UCX)で192KHz/24bitでキャプチャし、DeltaWaveで検証してみました。
DeltaWaveで解析すると、波形の差分、スペクトルの差分、位相の差分などを視覚的に捉えることができます。
今回は以下の2つの指標に注目してみました。
Difference (RMS) ・・・元データとキャプチャデータの差の二乗平均平方根です。
DF metric・・・短い区間(400msec)毎に算出したRMSの中央値です。
これら二つの指標はとてもよく似ていますが、検証に用いる音源によって感度が異なるようですので、どちらも有用に思います。
検証したのは、以下の条件の違いによるDAC出力の差です。
- 再生ソフトの違い (Volumio / symphonic-mpd)
- SYNC Mode On/Offの違い
- Over Sampling Filter On/Offの違い
SYNC Modeの使いこなしに関して面白いことが分かりましたので、検証結果をまとめて明日にでもコメントしたいと思います。