ESSのチップはDPLL/ASRC有効時にDPLLバンド幅によって音質が変化します。
Sabreberry32でDPLLバンド幅を変更しながら歪がどのように変化するか検証してみました。
HighestからLowestに向けて歪が単調減少していくのではないかという期待がありました。
symphonic-mpdは先日測定しており、Volumioは今日測定してみました。
スラッシュを挟んで左がRMS(dB)、右がDF(dB)です。いずれも一発録りです。
DPLL Band Width | symphonic-mpd | Volumio |
---|---|---|
15 (Highest) | -52.82/-43.3 | -41.74/-31.8 |
14 | -53.42/-44.4 | -39.99/-30.3 |
13 | -54.23/-45.1 | -41.87/-31.9 |
12 | -54.05/-44.9 | -53.26/-43.9 |
11 | -53.17/-44.0 | -54.33/-45.4 |
10 | -54.0/-44.9 | -53.82/-44.5 |
9 | -52.59/-43.3 | -41.31/-31.4 |
8 | -54.31/-45.2 | -53.89/-44.9 |
7 | -54.42/-45.2 | -41.1/-31.2 |
6 | -53.51/-44.2 | -52.09/-42.6 |
5 (Default) | -54.37/-45.2 | -41.33/-31.5 |
4 | -54.27/-45.0 | -41.33/-31.5 |
3 | -54.11/-44.9 | -53.78/-44.7 |
2 | -54.32/-45.2 | -53.48/-44.1 |
1 (Lowest) | -53.62/-44.2 | -53.41/-44.1 |
結果としてはRMS/DFの両メトリクスはDPLLバンド幅にさほど敏感では無いようです。
ADCの精度を上げたり、DeltaWaveで抽出できる他のデータ(波形の差やスペクトルの差、位相の差などなど)を確認していく必要があるかもしれません。
もう一つ明らかになった問題点は、テスト結果が測定環境のセットアップに敏感で、再現性を得難いという点です。
Volumioの測定値が、-41dB付近と-53dB付近に極端に別れてしまっています。その差は12dB(つまり400%!)もあり、測定手順に何らかの問題があることを示唆しています。
このあたりは試行錯誤しながら問題を潰していく必要がありそうです。
メモ
再生開始直後、一瞬だけ極端に負荷が高くなって歪の原因となるのではないか。
たとえば冒頭1秒と末尾1秒をトリムすれば安定再生中の区間だけを比較できるのでは。