Passさんに電源基板を作っていただきました。
そのインプレッションとともに、PassさんからR&D Clubに寄贈された貸し出し用電源ユニットの貸出開始のご案内をさせていただきたいと思っています。
ことの始まりは、2020年2月7日にPassさんが「アンケート v0.9.4b1」にて発言された以下の内容にさかのぼります。
ちなみに、今、新Yarrowを持っているのはパパリウスさんだけです。
この発言に「新Yarrowとは何だ?」と思った私は、Passさんに問合せをさせていただきました。
その回答で、新YarrowはDC-Yarrowとは全く違う電源ユニットであることと、実費でPassさんに作っていただけるということを知りました。
ちなみに、DC-ArrowやDC-Yarrowは、設定した電圧を何が何でも出力し続けるというコンセプトで開発されたNon-Feedback電源です。
対して、ここまで仮称「新Yarrow」と表記してきた電源は、高速なフィードバックで出力を安定化させる電源であり、ことフィードバックの有り無しで言えば、DC-ArrowやDC-Yarrowとは真逆のコンセプトのものです。
以降、表記の混同を避けるため、仮称「新Yarrow」を「FF電源」と呼ぶことにいたします。
呼称の由来は“Fast Feedback”の頭文字です。
また大人の理由で、FF電源の写真も回路図もお見せすることができません(っていうか回路図はおこしていません)。どうかご了承ください。
また、Passさんはこちらのサイトの情報を元にアレンジして、電源基盤を作成されたそうです。
こちらの情報を元に自作される分には一向に構いません。私は自分のスキルではとても太刀打ちできないので、素直にPassさんに製作を依頼しました(笑)
さて、先週金曜日に件のFF電源2台が我が家に届きまして、週末から本格的に聴き込み始めました。使用した機器はRPi4 (smpd v1.0.3)にAllo Digione Signatureを載せたもので、SPDIFの出力先はSONY TA-DA7000ES(→スピーカー)とFOSTEX HP-A8(→ヘッドホン)です。
とその前に、チョット脱線。
私の手持ち機器の中にifi-audioのUSB-DDC(バスパワー駆動)があるのですが、このバスパワーにFF電源を突っ込んでみて、従来からの電源(ifi-audio iPower 5V)との比較をしてみました。
すると、もうこれは比較するまでもないという大差でFF電源の勝利。
FF電源を使えば(たぶんDC-Yarrowでも)、今でも十分に使えそうな新鮮な音がします。
なにぶん古いアイテムだったので、今は使わずに投げていたものだったのですが、こういう風に使うと意外にもまだ使えることに驚きました(笑)
で話は本線に戻りまして、先ずはAllo Digione Signatureだけに、DC-Yarrowに替えてFF電源をあてがってみました。
すると、低域の沈み込みが一段と深まって聞こえることに気づきました。
と共に、音楽全体のディテールがより鮮明に聞こえてきます。
ただその変化は、私が期待したほどの大きさではありませんでした。
(もしかすると、私の使用機器ではこの辺が限界なのかもしれません)
次にAllo Digione Signatureを載せているRPi4にも、DC-Yarrowに替えてFF電源をあてがってみました。
Allo Digione Signatureにあてがった時の同じような変化を期待したのですが、こちらの方はコレと言って変化を感じません。
ものはついでと、さらに上流に位置するNAS用RPi4にも、DC-Yarrowに替えてFF電源をあてがってみましたが、こちらも同様に、音への影響を与えるまでにはいたりませんでした。
という風にココまで書くと、「なんだFF電源と言っても大したことないんじゃないか」と思われてしまうと思います。
しかし実際には、そんなことはありません。
我が家のDC-Yarrowは、基本レシピに加えて、私独自のレシピの改造を加えてあり、「DC-Yarrow改」とも言える仕様になっています。内容は以下に詳しいです。
特に「薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP)」を加えた効果は大変に大きく、この一工夫を加えなければDC-Yarrowの完成形を見ることはできないとも言えると思っています。そう断言できるほど、このPMLCAPの一工夫以前以後では、音が違います。
つまり、私の駄耳で聴く限りにおいては、FF電源は本当に素晴らしいのですが、PMLCAPを加えたDC-Yarrow改もそれに匹敵しうる性能を出しているのではないかと、そう感じた次第です。
と言う訳で、私的な結論を言えば、FF電源を手放しで誰にでも勧めるまでもないかなということになります。
自分でDC-Yarrow改を組み上げることのできるスキルや経験の持ち主であれば、私はDC-YarrowにPMLCAPを加える改造を強くオススメしたい。
いやいや、自分には電気工作なんてムリムリという向きには、FF電源を使えば幸せになれるよと申し上げたい。Passさんにお願いすれば、実費で作っていただけるかもしれません。
で、最後に、PassさんからR&D Clubに寄贈された貸し出し用FF電源ユニットのご案内をば。
別スレッドにて「FF電源ユニット 貸し出し」を起ち上げます。注意事項も含め、詳しいことはそちらに記載いたします。
「オォ、それならば試しに使ってみたい」という方は、お気軽にご応募ください。貸出は応募の先着順となります。どうぞよろしくお願いいたします。